摩利支天大滝〜阿弥陀岳北西稜(2020/3月/日帰り)

2020/03/01 日帰り

八ヶ岳摩利支天大滝〜阿弥陀岳北西稜

パートナーは新会員のI川くん。I川くんは杉並労山にも所属している方で、彼との山行は今回で三回目。二人合わせて年齢100歳超え。I川くんには少しハードかもしれないこの山行。さてどうなることやら。

東京を前夜22:30に出発、途中切れたヘッドランプを自分で交換したり、高速速度制限以下のスピードのため夜中の1時半過ぎくらいにやっと小淵沢に到着。まぁいつものことか。

当初1時間ほど仮眠して出発としてたが日頃の疲れと寝不足で意識が全く覚醒せず、あと10分、あと15分とプラスのちょい寝してなんだかんだで一時間ほど寝てしまう。それでも2時間の仮眠ではまだ眠い。

美濃戸口でチェーンを付けて赤岳山荘の駐車場に着く頃には明るくなっていた。

7時スタート

1時間ほどで摩利支天大滝への分岐に着く、標高に弱く八ヶ岳の高さだとアプローチからヘロヘロなI川くん、この分岐で20分ほど彼の到着を待つ。

摩利支天大滝へのトレースはあるが新しいトレースは無いようだ。

彼がまた遅れる。その遅れた後ろに後続の若い人たちがもの凄い勢いで彼へと追いついてくる。「頼む、追い抜かれるなよ」と心の中で叫ぶ。I川くんも必死なようだ、その必死さが離れている私にも伝わってくる。そうこうしてると後続がI川くんに追いつく。追いついた彼等と何か話しているのが見える。ん〜、若い後続パーティーが引き返していったぞ。理由をI川くんに聞いたら「ここは赤岳へは行きますか?」とのこと。どうやらI川くんの後をついてきてしまったようだった。

大滝へ近づいて写真を撮る、マーリーチーから垂らされた糸のようだ!空には飛行機雲!

大滝の上部からはスノーシャワーがひっきりなしに落ちてくるのが見える。4〜5分おきには大きめのシャワーが氷のカケラと共に落ちてくる。日が上がるにつれその間隔も短くなってきた。

I川くんにリードするかと尋ねたら各駅停車になるとのことで辞退、大きめスノーシャワーの合間に私トップでスタートする。

シャワーに耐えながら登るがフードが外れフードにスノーシャワーも溜まって背中にも入ってきた。

滝上まで抜け、ルンゼ分岐の細めの灌木でピッチを切りI川くんを迎える。

大滝から上はトレースも消えて完全にラッセルである

I川くんに先を行かせてみたが20メートル程ですぐに追いつき、すでにヘロヘロ、ぜぇぜえ〜言ってるので私が先を行くことにする

すぐに彼が出遅れ一人でラッセルする、だいたい股下ラッセルだが締まってるところで膝下くらいか。たまに踏み抜きあり。

I川くんが全然追いついてこない。普通なら心配するところだが彼にはこれが普通であるようだ。

ルンゼの末端を左手から尾根の方へ、尾根へ上がってから、リッジへ深い雪をラッセルトラバース、北西稜のトレースに合流した

昨日か今日の先行のトレースが付いている。ここからは先行がいるなかは見えないが上部から人のコール声が。僕らが行く頃には先行は上へ抜けていることだろう。

ここで遅れているI川くんを待つ、30分ほど待ってやっと上がってきた。

彼が見えたところで彼が追いつくまでザイルの末端を固定して一人でザイルを伸ばす。彼がザイルに追いついたところで末端を結んでもらってランニングコンテで先を行く。彼がへばっていてなかなかザイルが進まない。第一岩峰の取付き、ビレイ点まで行き、ランニングを取りコンテのまま第一岩峰をクライミング、先行パーティーに追いつく。

抜くこともできないのとこの先難しいところも出てくるのでI川くんがビレイしてくれるのを待つ。I川くんがやっとビレイ点まで上がってきたのですぐにビレイしてもらうように伝えるが「トイレ行きたい」と。ちょっと我慢してもらいビレイをしてもらう。

先行パーティーは3人、フォローの2人が登っていったところで私もスタート。相変わらず嫌らしいピッチである。ジャルパインピッチだ。

ピッチ終了点のテラスには先行パーティーが状態ピッチを登攀中。のんびり登るがI川くんのトイレの我慢も限界だろうからとりあえず先を進むとまもなくテラス下まで到着。先行パーティーには申し訳ないがビレイ点から長めのスリングを1本取らせてもらいテラス下でピッチを切る。I川くんも無事にトイレを済ませフォローで上がってきた。

先行パーティーが左のトラバースへは行かずに右のルートを選択したようだ。そのおかげで私達は核心ピッチを待たずに行くことができる。

先行のフォローが登り始めたところで左手へトラバーススタート。ピッチを切りフォローも到着。ここでもう一本あるダブルロープを結び、核心ピッチを登り始める。ここも私がリードする。

雪がところどころ壁に付いているがフワリと乗ってるだけなのでエッジ探しにクリーニングしながら登る。手が冷たくなってくる。前登った時よりもかかりが悪くなってるような気がするんだが…。アイゼンの爪を減らさないようになるべくガリガリやらずに静かに登る。

最後のハーケンにランナーをとってここから一気に行く、右側の岩にトルキングして身体を引き上げる。さらに上部の岩にフッキングしてガバへ。そのカバを掴んで上へと身体を引き上げようとしたところで、右ルートを選んだ先行パーティーフォローの女性が真上にいて「ビックリした〜!」と驚かれる。こっちもその声にビックリ!先に行かせてくださいとのことなので、ハングのガバを掴んだ状態で耐えることに。先行の女性が真上を通過していったところで冷たくなってきた手とパンプ気味な腕をシェイキングしてハングを乗っ越して上に。最後焦ったがなんとかフリーで上がってくることができた。

先行パーティーのトップが上の方でフォローをビレイしてたので、すぐ上のビレイ点が空いていたので空くのを待たずにピッチを切ることができた。

フォローのI川くんを迎える。彼がするグローブのテムレスが冷たいのか何回もテムレスを脱いで手を温めている。核心のハング下では残置のお助けスリングにフィフィテンション。こんなんでフォローに時間がかかる

I川くんがなんとか上がってきた。終了15時10分くらい。

そのまま安全地帯の上まで行ってもらうがかなりのヘバりようでぜぇぜえやっててなかなか進まない。彼が大丈夫だろうなというところまで行くのを待ちビレイを解除して後を追う。すぐに追い越しザイルを畳んで阿弥陀岳ピークを目指す。

途中摩利支天ピークで手を合わせる

南無マーリーチー 合掌

I川くんは阿弥陀岳自体が初めてなので、登頂を譲ってみたが、先に行ってくださいとのことだったので私が先にピークへ。

15時半頃登頂!

先ずは阿弥陀さまへ五体投地でご挨拶

南無 アミターバ 合掌

I川くんも無事に阿弥陀岳初登頂!

先行パーティーと挨拶して下山。行者小屋で遅れてる彼を待って顔を見てから南沢を降りる。途中雪も溶けてビチャビチャ。跳ね返りで汚れないように途中からゆっくりと歩くが1時間ほどで駐車場へ到着。明るいうちに駐車場へ着くことができたが…。I川くんがなかなか来ない。待つこと30分くらいだろうか、彼もギリギリ真っ暗になる前に駐車場へ戻ってくることができた

時間はだいぶ掛かってしまったが無事に完登できたので良しとしよう!

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